今回はスジ掘りのやり方について
書いてみます
実は、僕はそもそもスジ掘りにあまり関心がなく
正直、技術的にもドヘタだし、センスもないんです
だから、あんまりスジ掘りには触れないで
おきたかったんですけどリクエストを頂いたので
ガンプラにおけるスジ掘りの方法を
「暫定版」ということで書いてみます
あんまり参考にならないかもしれないんですけど
まぁとにかく書いてみます
スジ掘りの種類について
言い換えると「スジ掘りとは何か?」ってことですかね
これは大きく分けて
4種類あるんじゃないかと思います
他にもあるかもしれないけどね
それぞれ見てみましょうか
その1.元々キットにあるモールドを彫り直すスジ掘り
キットに元々ついているモールドを
自分で彫り直すことでよりラインをピシッと見せる、
というスジ掘りですね
このガンダムはHGのver.GFTなんですけど
モールドがRGみたいでカッコいいですよねー
これはモールドを彫り直してスミイレしたんですが
よりスジ掘りを強調させたくて
エアブラシでグラデーション塗装をしてます
スジ掘りとのコンボ技って感じですね
その2.マイナスエッジを彫るスジ掘り
「仮に実在するのであれば、別パーツであろう箇所」が
キットでは一体成型になっている部分、
という場合がよくありますよね?
たとえばHGのザクやグフの肩のトゲ部分など
一体成型のマイナスエッジですね(上のトゲは別パーツ)
マイナスエッジというのは
Lという形で説明すると「内角のカド部分」のことです
そういう箇所をスジボリすることで
元々1つであるパーツを、あたかも複数のパーツで
構成されているかのように表現することができます
パーツ数が増えたように見せることで
より工業製品らしさが増すというか
作品にメリハリを付けるのに効果的って感じです
その3.パネルラインの新規作成のスジ掘り
一般的にスジ掘りというと、こちらを連想しますよね
写真は「ノモケン3 ガンプラ完全攻略ガイド」
から引用したHGジオングです
ガンプラでいうと、もしMSが実在するなら
たくさんのパーツで組み上げられているハズですが
1/100のMGマスターグレードにしても
1/144のHGハイグレードにしても、
プラモデルという模造品では
それら「たくさんのパーツ」の構成は
一枚の板として省略されて表現されているワケです
RGリアルグレードは初めから
実在の考え方でパーツが構成されていますけどね
そういう省略されたパーツの構成を
自分なりに解釈して、
パネルラインとして新規作成することで
精密感とか工業製品らしさを演出する、
そういうタイプのスジ掘りです
その4.幾何学的な模様のスジ掘り
これは「その3」をさらに飛躍させた表現、
といえばいいんでしょうか?
プラモデルを実物の模造品ではなく
「一つの作品」として捉え
独創的なラインを描くことで
芸術性みたいなものを表現する方向です
あ、いっとくけど、このキュベレイの
スジ掘りのデザインは僕のオリジナルではありません
Maさんという方の作品を拝見してシビれまして
自分でマネっこしてみただけですww
このデザイン、超カッコいいね!
よく思いつくなぁーって感心しちゃいますよw
ちなみに尾の部分のスジボリだけで
6時間かかりました・・・
スジ掘りのデザインについて
スジ掘りのデザインについて
もう少し考えてみます
新しく自分でスジ掘りを行う場合
何もないフラットな面を目の前にして
「さあ、スジ掘りしてみなさい!」
と言われても、どうすればいいのか
経験がないと分からないですよね?
ハッキリ言って、僕も分からないです(笑)
ただ、参考になる考え方を
プロモデラーがのユモトさんが紹介されていたので
それを紹介してみます
たとえばよくある連邦系MSの腿の側面とか
こんな感じになってますよね?
ここに「直角」を意識してラインを新設してみます
はい、こんな感じですね
パネルラインが増えました
では、もう一つ例を見てみましょう
たとえば、ザクのシールドがあるとします
ここに「平行」を意識して
ラインを追加してみると・・・
たとえばこんな感じ?
んー、僕はセンスがないんですよ、スマンw
とにかく「直角と並行」
これがベースとなる考え方で
あとはその人のセンスですかねー?
なんか投げやりで、ほんとゴメンw
では、スジ掘りの種類の紹介が終わったところで
次はスジ掘りの道具について紹介します
スジ掘りの道具について
「スジ掘りを何で行うか?」ということですが
いろんな道具があると思います
パッと思いつくのは
- デザインナイフ
- Pカッター
- 針やニードルなど尖ったもの
- キサゲ
- ノコギリ
- エッチングソー
- ノギス
- 目立てヤスリ(両刃ヤスリ)
- ノミ
- スジボリ堂のBMCタガネ
- クレオスのラインチゼル
って感じでしょうか?
なんかいっぱいあるねw
まだ他にもありそうです
これらの道具を使って、
1種類で彫る場合もあるし
複数を組み合わせて彫る場合もあります
オススメなのは、彫ったミゾの形状が▼ではなく■となる
BMCタガネですね
あと、僕は使ったことないけど
クレオスのラインチゼルも同じ機能なんじゃないかな?
彫るミゾの幅に合わせて
いろんな種類が発売されています
ちなみにガンプラのHGだと0.15mm前後
MGだと0.3mm前後がスケール的に
良いミゾ幅である気がします
好みもあると思うので一概には言えない気もしますけどね
スジ掘りの力加減について
で、これらの道具を使って
スジ掘りするワケですが
この力加減っていうのが結構、難しいんですよねー
「軽く何度もなぞるように」
「決して“彫る”という強い意識で行わない」
とよく言われます
でも、ついつい力を入れて
彫ってしまうんだよねーw
僕はシャーペンで線を描くくらいの気持ちで
20回とか回数を決めて
頭の中で数えながらやってます
失敗したときの処理について
で、実際にスジ掘りをやろうとするとね、
まぁ、失敗しますよ(笑)
ラインがはみ出たり、ラインが歪んだり・・・
でも、あるプロモデラーが
「ここのスジ掘りを5回やりなおした」
って言われてたんですよ
僕はそれを読んで
「はぁー、プロでも失敗するのかー?
しかも5回もやり直すのかー?
スジ掘りって、そういうものなのかー」
と思いました
なので、始めから何回か失敗する前提でいくと
精神的にいいのかもしれないですね
もしかすると、これがスジ掘りを行う上で
一番のポイントなのかも?とか思うなー
例えばラインが歪んだりしても
気にせずに他のラインもどんどん彫っていって
全部終わったら
「はい、まず1回目が完了ねー
失敗したけど、あと4機も残機があるから、
だいじょうぶいっ(`・ω・´)v!」
みたいなノリが良いのではないでせうか?
ってどう??ダメですか??ww
ちなみに修正はラッカーパテや瞬着などで埋めて
再挑戦って感じです
だからスジ掘りは「表面処理の前に行う」
のがベターだと思いますよ
失敗を防ぐ工夫
まぁそれでも、なるべく失敗は少ない方が
良いに越したことはないので
はみ出しやすい所に
マスキングテープなどを貼って保護しておくと
事故を防げる可能性が上がります
それからもう一つ、
失敗を防ぐ工夫として
スジボリする手順を考えると良いですね
これはちょっと詳しく紹介してみます
スジ掘りの手順について
実際のスジ掘りの彫り方なんですが
さっきのモモの例をとるとAとBという2種類の方向が
考えられますよね?
どっちがベターかというとこれはAだと思います
なぜならラインを彫るときに
パーツの外に逃げられるからです
Bの彫り方だと、交点を飛び出してしまう
危険性があるんですよね
でも、逃げ道がない場合もあります
たとえば、こういうラインを彫りたいとします
これを一筆書きでやろうとすると
上手くいかないので
ラインを分割して考えるんですが・・・
重要なのはa点とb点ですね
ここが繋がってないと変だし
飛び出てもマズイ
そこで、まず針などで「点を打つ」と良いとされています
その点がストッパーの役割となるわけですね
で、実際に彫るときは
こんな方向で彫るのがベターかもしれません
③と④に関しては別に分けなくてもいいんですけど
最初にa点からb点までのラインを彫った後に、
a点から中心付近まで、
b点から中心付近まで
というように深く彫っていくと
交点を飛び出してしまうミスを防げるかもしれない
という意味で紹介しました
パーツの固定について
実際にスジボリをするときに、
パーツを彫りやすいように保持するのが
実はかなり重要だったりします
上手い人とそうでない人の差は、
実はこういうところでついているのかもしれないすなー
僕は上手い人がどうやってパーツを保持しているのか
よく知らないんですけどね、
こういうものを提案してみます
これ「ブルタック」っていう
粘着力のある粘土みたいなものなんですけど
なんか使いやすい!
とにかく粘土でもクランプでも万力でもいいんですが
何かしら持ち手をつけることで
作業がしやすくなります
こういうのも失敗を防ぐための工夫ですね
ブルタックは粘土みたいにベタベタしなくて
何度でも再利用できるんで勝手がいいですよ
バーニアとか小さいパーツを塗装する時の
持ち手にも使えるし
フィギュアのポーズを
仮組みするときにも使えるみたいです
ブルタックはかなり潜在能力の高いアイテムで
いずれ「ブルタックのいろいろな使い方」
って記事を書けそうな予感がしてますw
型紙を用意する
スジボリで重要な部分ですね
ここがおろそかでは
絶対に上手くいかないだろうなーって部分ですね
メンドクサイかもしれないけど
これを用意しないとスジボリは不可能といってもいいので
準備をきちんとするのが大切なんだと思うです、はい ←過去の失敗を脳内再生中
ええと、型紙として使えるものとしては
- マスキングテープ
- 厚めのクリアビニールテープ
- 両面テープ
- スジボリ専用テープ
- ダイモテープ
などですかね
あとはプラ版ですね
0.2mmとか0.3mmのプラ版を
自分で彫りたい形にカットして
パーツに瞬着の点着け、またはテープなどで固定して
それをガイドに彫るわけです
実際に彫ってみる
ここまで前置きが長くなっちゃったw
では実際にちょっとやってみます
まず、パーツを用意して
ラインを考えます
今回はジムⅡのウデの部分に彫ってみます
ラインはRGガンダムにならってみよう
あ、成型色の関係で線が見えにくい場合は
サフを一回吹いとくとやりやすいかもです
彫ったラインも確認しやすいからね
んじゃ、とりま鉛筆でラインを引いてみます
ここは多少歪んでいても構いません
イメージを確認するって感じですな
そしたらパーツにマスキングテープを貼って
上からペンなどでラインを転写します
あ、すでにブルタックでパーツを保持してますね
んで、ラインを転写したマスキングテープを
一回プラ版に貼ります
ガイドを制作するワケですな
プラ版を切り出しました
これがガイドになります
さっきの鉛筆下書きは
歪んでても大丈夫だったけど
プラ版の切り出しは直線・平行に
なるように注意します
そしたらガイドをパーツに貼ります
貼り付けは黒瞬着でもハイスピードでも
お好みの瞬着でどうぞ
これを「瞬着の点付け」っていうんですけど
ちょっと説明すると・・・
まず、なんでもいいので台座を用意します
僕はミンティアの空きケースにビニールテープを貼って
それを台座にしてます
ビニールテープを張り替えれば
再利用できるんでラクですよ!
で、つまようじなり、針金なりで
瞬着をチョンチョンとすくって
それからパーツにチョンと乗せます
瞬着はベタベタとつけないで大丈夫ですよ
それじゃBMCタガネの0.15mmで彫ってみます
はい、彫りました
そしたらガイドのプラ版を剥がします
剥がし方は、デザインナイフを差し込むと簡単にとれますよ
簡単に剥がすために「瞬着の点付け」をするワケですね
いま、プラの表面に瞬着がついてますが
これをペーパーで処理します
ペーパーをあてました
スジボリでラインが引けましたね
一応、これでスジボリ完成って感じです
ではガイドを反転させて
反対側も同様に彫ります
ガイドがあるから左右対称のラインを
引けるわけですね
次に正面の部分に彫ってみます
ここもRGにならって「H型」に彫ってみますね
今度はガイドテープを使ってみます
スジボリ専用のテープが発売されてます
色のついたダイモテープっていうのもありますけど
僕的には透明の方がやりやすいと思うです
それで、この形を掘るときの手順なんですけど、
これ、あなたならどう彫りますか??
ちょっと考えてみてもらえますか?
こういう手順が思いつきましたか?
①と②、③と④、⑤と⑥は
あえて分ける必要はないんですけど
何回か彫っているうちに
そういう方向で彫ることもある、って意味です
では、まず縦ラインですね
写真じゃ見えにくいかもしれないけど
平行になるようにガイドテープを貼ります
縦ラインを2本彫りました
次に横ラインを引きますね
下辺から2㎜の位置にしてみようかな?
この位置決めをどうするか、ですが・・・
ここはマスキングテープを使って
下辺から2ミリの位置を
なるべく正確に測ってみます
マスキングテープを2㎜幅に切って
パーツに貼りました
このマスキングを2枚くらい重ねて
ガイドにしてもいいんですが・・・
今回はマスキングの位置に合わせて
スジボリ用のガイドテープを貼りました
そしたらマスキングテープは剥がします
これで2㎜の位置決めができました
はい、彫りました
横ラインは0.3㎜のタガネにして
ちょっと変化をつけてみました
ええと、こんな感じでスジ掘りの方法について
書いてみたんですが参考になりますかね???
もし不明点とかあったら質問してくださいましー
答えられる範囲でお答えしますよ
とりま以上、スジ掘りのやり方(暫定版)でしたー
参考になれば幸いでございますー!
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